2008年8月14日木曜日

書籍「蜘蛛の糸・杜子春 / 芥川龍之介」(新潮文庫)

今さらかもしれないけど、改めて読んでみるとなかなか新鮮。

表題の2篇を含めて全10篇の短編集。どうやら解説によると、芥川作品の中でも年少文学と呼ばれるものばかりらしい。

「蜘蛛の糸」と「杜子春」も勿論悪くなかったけれど、個人的に唸ったのは、「蜜柑」と「トロッコ」。いずれも超短い作品。でも、いずれもまるで一本の映画のような深みを持っている。「蜜柑」は、昔の日本が持っていた叙情性というか、原風景のような光景が目に浮かぶよう。クライマックスがドラマチックだ。「トロッコ」は、敢えて一言で言うなら日本版「ひとりスタンド・バイ・ミー」(!?)。僕はこちらのほうが好きかもしれない。

やはり古典と言われるものは、読んでおかなくてはいけないと感じる。

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