今さらかもしれないけど、改めて読んでみるとなかなか新鮮。
表題の2篇を含めて全10篇の短編集。どうやら解説によると、芥川作品の中でも年少文学と呼ばれるものばかりらしい。
「蜘蛛の糸」と「杜子春」も勿論悪くなかったけれど、個人的に唸ったのは、「蜜柑」と「トロッコ」。いずれも超短い作品。でも、いずれもまるで一本の映画のような深みを持っている。「蜜柑」は、昔の日本が持っていた叙情性というか、原風景のような光景が目に浮かぶよう。クライマックスがドラマチックだ。「トロッコ」は、敢えて一言で言うなら日本版「ひとりスタンド・バイ・ミー」(!?)。僕はこちらのほうが好きかもしれない。
やはり古典と言われるものは、読んでおかなくてはいけないと感じる。
0 件のコメント:
コメントを投稿