2009年5月25日月曜日

映画「空とコムローイ」

監督・三浦淳子が7年にわたってとり続けたドキュメンタリー映画。タイ山岳民族の子どもたちと、彼らを支える人々を描く。

感じたこと:

・タイ北部の自然の美しさ、人の暖かみ、みたいなものは良く出ている。
・決して強いメッセージがあったり、明確な問題提起をする作品ではない(観る側に委ねられている?)。
・ストーリー的には、特に何も起こらない。ある少女(ファ)の成長を追う。
・「ファ」とは「空」の意味。
・「コムローイ」というのは、熱気球のこと。この世の不幸せがなくなることを願って飛ばす。映画の中では、大晦日の晩と、施設の卒業生達が村に戻ってきた時(かつて育った村で子ども達に教えることで、新たな火を灯す、という意味で)に飛ばされる。
・牧師(ペンサ)は30年にわたって、山岳民族アカ族の自立を援助するべく施設を運営している。
・村から様々なものを搾取しようとする人々から守り、サンタクロース的でない援助を目指す。
・牧師のしていることは素晴らしいとは思うが、宗教を通じているところに対する違和感は残る。
・実際に村を訪れて見た、麻薬や人身売買の実情?感じたことは?
・監督はこれからどうしていきたいのか?

映画「ロード・トゥ・ルーベ」

久々の自転車映画。しかも、あの「パリ-ルーベ」を描いたドキュメンタリーと聞けば、行かないわけにはいかない。公開初日、三船雅彦とJ-SPORTS谷口広明のトークショーが行われた回を観に行った。

ドキュメンタリーで、全編が選手をはじめとする関係者のコメントだけで構成されており、ナレーションやレースの概要説明などは一切なしの71分、アメリカ映画。

普通の人が観て、一体どういう感想を持つのか気になるところではあるが、自転車好きとしてはちょっと辛い。全てコメントで、しかもそのほとんどが、「どれだけ過酷か」と「どれだけ石畳が辛いか」だけ、というのはいかがなものだろう。一応、フライヤーには、「2007年のレースを追う」とあるが、それもほとんどない。トークショーがなかったら、あの内容で1,500円を払う気にはなれない。

例えば、コースレイアウトだとか、過酷さをデータ的に表現するといったような、もう少しいろいろな角度からの表現が欲しかったと思う。これで作品として世に出てしまうところに、スポーツとしての自転車のマイナーさが出ているような気がする。

映画「チョコレート・ファイター」

「マッハ!」「トム・ヤム・クン!」の監督プラッチャヤー・ピンゲーオによるタイのカンフー・アクション映画。ジージャーなる少女がなかなか凄いアクションを披露する。

ストーリーは、発達障害を抱えながら、天才的な格闘技の能力を持つ少女が、幼なじみと協力しながら、病気の母を助けるためにマフィアと対決していく、というもの。その中で、父親が阿部寛演じる日本のヤクザであることから、日本料理店や日本でのシーンなんていうのも登場する。

感想は・・・悪くはない。確かに、女優としてよりは格闘家としてキャリアを持つジージャーのアクションは凄い。特に蹴りは美しいし、キレがあると素人目にも感じる。

ただまあ、カンフー映画によくあることではあるけれど、ストーリーはどうでもいい感じ。特に、この作品は、結構シリアスさを売りにしているように思う。発達障害をそれなりに重く描いているし、「笑える」というようなシーンはほとんどない。

僕の趣味で言えば、こうした類の映画で、ストーリーがそこまでのものではないのであれば、アクション+αの何かが欲しい。例えば、笑いであったり、セクシーさであったりというような。