2008年5月25日日曜日

滲み出る品の良さ

黄金週間に入って間もない4月28日、淀屋橋のある和菓子屋さんを訪れた。目的は翌日の四十九日用お供えを買うため。大通りを入ったところにあるその店は、ある人から話は聞いていたものの、予想よりも小さく、知らなかったらまず入ろうとは思わなかったかもしれないような店構え。

お目当ては、300年以上の歴史を持つと言われる「酒饅頭」。1日150個しか作られないらしい。流石に生ものなので、お供え用には焼き菓子を購入、酒饅頭は二箱を実家用と妹の家用にすることにして、包装の間に、自分用に単品で酒饅頭を一つ買って食べることにした。

味はとても上品ながら控えめ。特に皮が良い味を出している。

さて、これだけならどうということはないのだが、僕がこの日感心したのはその店主の接客。別に大したことを話したり、してくれたわけではない。こちらからは、商品に関するいくつかの質問や、どれくらい日持ちするの?といったことを聞いたりしたくらいで、向こうが聞いてきたのは「もうお休みに入られたのですか?」ということくらい。

こうした何気ないやりとりの中に、品の良さが滲み出ていた。ブランドショップやチェーン店などで受ける過剰で、マニュアル通りのサービスとは対極に位置するような類のものだ。そして酒饅頭の控えめな味も、こうした店の性格を良く表していたように思う。事前にある程度の予備知識を持っていたからそう感じた面があるのかもしれないが。

残念ながら、翌日持って行った先で食べた酒饅頭には、店頭で食べたようなマジックは感じられなかった。温め方にもテクニックが必要ということか。

どうでもいいことだが、このお店の名前には、僕の名前6文字のうち5文字が含まれているのも、好印象を持ってしまう原因かも。

0 件のコメント: