2009年1月29日木曜日

書籍「魂のゆくえ / ピーター・バラカン」

ピーター・バラカンは僕が最も好きなDJの一人。

DJとしては特に良い声をしているとは思わないけど、ちょっと内向的な感じとか、マニアックなところがイギリス的だ。英語はそれほどでもないと思うけど。

今、関西でピーター・バラカンのDJを地上波で聴くことができるのは、土曜朝のNHK FMだけになってしまったが、この番組も朝からすごい選曲をしている。だけど、僕がもっと好きだったのは、今やインターネット放送のみになってしまったBarakan Beatなる番組。全編英語だったから彼の喋りもリラックスしているように聴こえたし、何よりあれだけ内容の濃い英語番組というのは他になかった。

少し恥ずかしい思い出をひとつ。ある時のBarakan Beatで、僕は大阪からインターFMに、クイズに答えるために電話をしたことがある。当時Barakan Beatでは、喋りの端々からワンマンでやってます的な雰囲気がしていて、そうしたリスナーからの電話にも彼自身が出ているようなことを言っていたからだ。

果たして曲中に電話をすると、本当にピーター・バラカンが電話をピックアップし、対応をしてくれた。その対応は、オンエアとなんら変わることのない、控えめで紳士的なもので、僕はますます彼のことが好きになったのだった。いや、恥ずかしい限り。

しかし、長い前フリだ。

そんなピーター・バラカンが89年に出版した「魂のゆくえ」。これに加筆・訂正を加えたリイシュー版が2008年に発売された。

タイトルの通り、ソウル・ミュージックの歴史がたっぷり詰まった一冊だ。僕は近年、古いソウルやファンクばかり聴いてきたけど、体系的というか、歴史的なものにはあまり詳しくなかったので、非常に勉強になった。

興味深かったのは、70年代半ばにジャンルとしてのソウル・ミュージックは死んでしまったというところや、現在も行き続ける魂としてのソウル・ミュージック・・・というところ。ただ、それほど加筆されていないようなので、90年代以降、現在に至るワールド・ミュージックに関する記述がもうちょっと欲しかった。

ともあれ、ディスク・レビューなども興味深いものばかり。これを辿るだけでも楽しみだ。大阪で番組、やってくれないかなあ。

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