2008年3月15日土曜日

書籍「これは恋ではない / 小西康陽」(幻冬社)

しばらく本をもらってばっかりだった父に贈る本はこれにした。

ちょっとこれまでのものとは全く毛色が違うけど、間違いなくこの数年で僕が最もよく読んだ本だから、思い入れはかなりのものだと思う。僕は本をそれほど繰り返して読む方ではない。でも、この本だけは別格。どこからどれだけ読んでも良い、というところが素晴しい。ベッドサイドにおいておくのに最適な本だと思う。

この本、スクラップブックのような構成で、エッセイあり、ライナーノーツあり、アルファベット順の人物辞典あり、短編小説ありとまさに何でもあり。全編に共通しているのは、全て褒めている、ということ。だからといって、何でもかんでもというわけではなくて、彼のセンスのよさが伺えるものばかり。例えば僕は、映画や音楽の感想をこのブログに書いているけど、とても全部を褒めるというわけにはいかない。でもそれは、正直さの問題ではなくて、観たり聴いたりするものの量の問題で、彼がこれまでに観たり聴いたりしてきた映画や音楽の量は莫大であることは間違いなく、その中で自分が本当に良いと思ったものについて、思い入れをもって書いているというのは本当に素晴しいことだと思う。批評家じゃないんだから、当然かもしれないけど、ネガティブなエネルギーというものが全く感じられない。できることなら見習いたいものだと思う。

逆にこれを読むと、自分の至らなさばかりが目について、落ち込んだりすることもあるけど。父の反応や如何に。ちょっと楽しみではある。

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