2008年6月17日火曜日

書籍「震度0 / 横山秀夫」(朝日文庫)

父から送られてきた本の一冊。まず自分からは手を伸ばさない類の本ではある。

慣れないタイプの本なので、読みかけて数ページで何度か挫折したが、4分の1ほど読んだ辺りから止まらなくなった。

ストーリーは、阪神大震災の早朝に始まる。舞台は、兵庫から数百キロ離れたとある県の警察本部。次第に被害の状況が明らかになり、応援の部隊を送るべく準備が始まる中、県警の一人の課長が行方不明となっていることが明らかになる。人望も厚く、仕事も堅実だったその人物の行方をめぐり、県警内部の、そして6人の幹部部長の、様々な思惑が絡み合い、そして彼らの夫人をも巻き込んで、事件は様々な側面を見せていく・・・というもの。

面白いのは、この本、警察を題材としているのに、現場の描写が全く無い、というところ。舞台は警察内部か、幹部公舎のみ。そして、6人の部長のキャラが立っていて飽きさせない。映画というよりは、舞台化したら面白そうだ。

ただ、最近こうした本ばかり読んでいるからかもしれないが、例え小説とはいえ、あまりにも硬直化した官僚機構の描写は、いささか気分の悪さも残る。当然取材もしているだろうから、完全なフィクションとは言えないところもあるだろうし。

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