・遂に出た一冊。
・期待していただけに残念。
・エッジが削がれている印象。
・リアルタイムでないからなのか、印刷物だからなのか。
・ウェブであれだけの文章をタダで読ませてもらっているので、後悔はない。
・造詣はやっぱり深い。
・幸か不幸か、メジャーになるには弱い。
・それでもフモさん、あなたは天才です。応援してます。
2012年6月10日日曜日
書籍「自由すぎるオリンピック観戦術 / フモフモ編集長(ぱる出版)」
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2011年12月29日木曜日
書籍「BORN TO RUN - 走るために生まれた / クリストファー・マクドゥーガル」(NHK出版)
- 「読むと走り出したくなる」というよりは、「裸足で走ってみたくなる」一冊
- "走る民族"タラウマラ族を徹底的に解明した本というより、ロードムービー的な面白さ
- スリリングな「走る」持久狩猟説
- マラソンによって故障する人の多さと、最近のvivram five fingersなどのブーム
- ウルトラはともかく、トレイルには挑戦してみたくなる
2011年12月17日土曜日
iBook「Yellow Submarine / The Beatles」
iBookで無料配信されているコンテンツ、The BeatlesのYellow Submarineがすこぶる素晴しい。元々僕はThe Beatlesの良さがわかっていない人間だけど、これは良くできている。
恐らくはiPadくらいの画面で観るのがベストなんだろうが(iPod Touchでは少し小さすぎる・・・)、このフォーマットの持つ様々な可能性を感じさせてくれる。
恐らくはiPadくらいの画面で観るのがベストなんだろうが(iPod Touchでは少し小さすぎる・・・)、このフォーマットの持つ様々な可能性を感じさせてくれる。
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2011年11月12日土曜日
書籍「走ることについて語るときに僕の語ること / 村上春樹」(文藝春秋)
僕にとっては「アンダーグラウンド」でついていけなくなって以来の村上作品。
昔からこの人が走ったり、泳いだりしているのは知っていたけど、これほどまでにシリアスだったとは。
そのトレーニングのメニューは、なかなか凄まじいけど羨ましい限り。
「走る」ということが、2005年に出場したニューヨークマラソンを軸にして自伝的に語られる。
これを読んで走りたくなる人はあまりいないかもしれないけど(そういう人には、たぶん無理)、既に走っている人にはたまらない作品だと思う。
昔からこの人が走ったり、泳いだりしているのは知っていたけど、これほどまでにシリアスだったとは。
そのトレーニングのメニューは、なかなか凄まじいけど羨ましい限り。
「走る」ということが、2005年に出場したニューヨークマラソンを軸にして自伝的に語られる。
これを読んで走りたくなる人はあまりいないかもしれないけど(そういう人には、たぶん無理)、既に走っている人にはたまらない作品だと思う。
2011年10月7日金曜日
書籍「福島 原発と人びと / 広河隆一」(岩波新書)
雑誌「DAYS JAPAN」編集長のジャーナリスト広河隆一による一冊。
個人的には、映画「NAKBA」に続いて2作目の広河作品。映画より格段に情報量が多い分、ジャーナリストとしての立場がより明確に現れているように感じる。
数々の興味深いテーマがあるが、中でも興味深いのは、
・作業員の見た実態
・御用学者による「安全キャンペーン」
・事故の隠蔽とそれを可能にしたメディア
・現地の雰囲気
・チェルノブイリとの比較
といった項目だろうか。何の検証もなしに、東電発表、政府発表のデータを垂れ流したメディア・・・という指摘は、本当に耳が痛い。
そして、「放射線の影響は、笑っている人には来ません。クヨクヨしている人に来ます」という発言には、笑いを通り越して、背筋が冷たくなる。
少しでも多くの人に読んで欲しい一冊。
個人的には、映画「NAKBA」に続いて2作目の広河作品。映画より格段に情報量が多い分、ジャーナリストとしての立場がより明確に現れているように感じる。
数々の興味深いテーマがあるが、中でも興味深いのは、
・作業員の見た実態
・御用学者による「安全キャンペーン」
・事故の隠蔽とそれを可能にしたメディア
・現地の雰囲気
・チェルノブイリとの比較
といった項目だろうか。何の検証もなしに、東電発表、政府発表のデータを垂れ流したメディア・・・という指摘は、本当に耳が痛い。
そして、「放射線の影響は、笑っている人には来ません。クヨクヨしている人に来ます」という発言には、笑いを通り越して、背筋が冷たくなる。
少しでも多くの人に読んで欲しい一冊。
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2011年8月6日土曜日
書籍「ドキュメント東京電力~福島原発誕生の内幕 / 田原総一朗」(文春文庫)
1980年に書かれた作品の新装文庫復刊版。
東日本大震災による福島原発事故対応のまずさだけを見ると、東電ってどんだけずさんやねん!とか、だから大企業は・・・と安易に思ってしまいがちだが、それだけではないことがわかる一冊。
原発誕生の内幕だけでこれだけの内容になるわけだから、今回の事故でも、表に出てこない話は相当あることは想像に難くない。
東電を擁護する気にはならないけど、福島原発の誕生は、東電が東電なりの筋を通した結果だったということなのだろう。国家による電力管理体制への抵抗と、原発導入の経緯といった点は非常に興味深い。
結局のところ、日本という国のガンは官僚だと思ってしまう。
東日本大震災による福島原発事故対応のまずさだけを見ると、東電ってどんだけずさんやねん!とか、だから大企業は・・・と安易に思ってしまいがちだが、それだけではないことがわかる一冊。
原発誕生の内幕だけでこれだけの内容になるわけだから、今回の事故でも、表に出てこない話は相当あることは想像に難くない。
東電を擁護する気にはならないけど、福島原発の誕生は、東電が東電なりの筋を通した結果だったということなのだろう。国家による電力管理体制への抵抗と、原発導入の経緯といった点は非常に興味深い。
結局のところ、日本という国のガンは官僚だと思ってしまう。
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2011年2月24日木曜日
書籍「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら / 岩崎夏海」(ダイヤモンド社)
ようやくの「もしドラ」。
単体としてはかなり面白いけど、オリジナルを読まないと正当な評価はできない一冊のような気がする。
単体としてはかなり面白いけど、オリジナルを読まないと正当な評価はできない一冊のような気がする。
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2011年2月8日火曜日
書籍「『雲』の楽しみ方 / ギャヴィン・プレイター=ピニー」(河出書房新社)
「英国でベストセラー! 雲を眺めるのが好きになる本」というオビに惹かれて購入。
ネタ的に興味深いのは、積乱雲に巻き込まれて生還を果たした男の話や、鯖雲にふさわしいサバを探しにフィッシュマーケットに行くくだり。若きフランキー・ライモンに、なぜ雨が上から降るかを教える話も良い。
気象学的にも、温低が通過する際の雲の推移とか、飛行機雲が地球の温暖化に及ぼす影響など、興味深い話が揃う。
筆者はイギリス人のデザイナー・編集者で、「雲を愛でる会」を設立している時点で怪しい。個人的には、近年でも稀にみる面白い一冊だと思う。繰り返し読み易いのも嬉しい。
追記) 因みにこの本、原題は「The Cloudspotter's Guide」というのだが、同じ筆者が「The Wavewatcher's Companion」なる本を出したらしい。「雲」の次は「波」か・・・気になる。
ネタ的に興味深いのは、積乱雲に巻き込まれて生還を果たした男の話や、鯖雲にふさわしいサバを探しにフィッシュマーケットに行くくだり。若きフランキー・ライモンに、なぜ雨が上から降るかを教える話も良い。
気象学的にも、温低が通過する際の雲の推移とか、飛行機雲が地球の温暖化に及ぼす影響など、興味深い話が揃う。
筆者はイギリス人のデザイナー・編集者で、「雲を愛でる会」を設立している時点で怪しい。個人的には、近年でも稀にみる面白い一冊だと思う。繰り返し読み易いのも嬉しい。
追記) 因みにこの本、原題は「The Cloudspotter's Guide」というのだが、同じ筆者が「The Wavewatcher's Companion」なる本を出したらしい。「雲」の次は「波」か・・・気になる。
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2010年11月21日日曜日
書籍「阪急電車 / 有川浩」(幻冬社)
普通に面白い現代のお伽噺。
阪急今津線を舞台にした短編小説集で、それぞれのストーリーが微妙に絡み合ってくる。
好きなのは、「結婚式に討ち入りする女」の話と、「えっちゃんの彼氏」の話かなあ(もちろんこんな題名ではない)。
ある意味、あり得なくはない、と思ってしまうのは、関西だからかも。
阪急今津線を舞台にした短編小説集で、それぞれのストーリーが微妙に絡み合ってくる。
好きなのは、「結婚式に討ち入りする女」の話と、「えっちゃんの彼氏」の話かなあ(もちろんこんな題名ではない)。
ある意味、あり得なくはない、と思ってしまうのは、関西だからかも。
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2009年8月8日土曜日
書籍「サクリファイス / 近藤史恵」 (新潮社)
何をおいてもまず、題材として自転車ロードレースを題材にした小説を書こうとしたことが素晴しい。描き方も悪くないし、これなら全く自転車競技を知らない人が読んでも楽しめそうだ。
小説としての面白さ、という意味では、ボリュームがそれほど無いこともあって、若干物足りなさとか、美化しすぎているように思える箇所もあるけれど、こうした読み物が出てきたということが単純に嬉しい。
思うに、スポーツとしての成熟度というのは、ある意味、読み物として堪えうるものがどれだけ出てくるかで計ることができる気がする。そういう意味では、多少なりとも自転車競技が一般性を持ち始めたということなのかもしれない。
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2009年2月4日水曜日
書籍「ちくま日本文学全集: 色川武大」
文学全集なんて、普段はまず手を伸ばすことはないけど、これはすばらしい。はっきり言ってここ数年で最も衝撃的に良かったと言えると思う。
全集なるものでは当たり前のことなのかもしれないけど、ある作品の一部のみが収められているというベストアルバム的な構成にまず驚いてしまう。
この色川武大なる人物、阿佐田哲也と同一人物とか、「狂人日記」が有名とかいうことだけは知っていたけど、まともに読むのは初めて。
さまざまな文体、さまざまなテーマの作品が収められているが、どれもが素晴しい。特に僕が好きなのは、戦後の東京を描き出した自伝的な文章の一群。混沌とした闇の世界が、色鮮やかに眼前に現れるとでも言えば良いだろうか。また、ナルコレプシーなる病魔を抱えた自己の内面を晒す文章も凄まじいばかり。
小説では「離婚」が心に沁みるが、これはあまりに個人的な事情によるものだから、正当に評価できていないかもしれない。
テーマも、闇に生きる人々や、芸人、ミュージシャン、棋士、女、食べ物など興味深いものばかり。平成まで生き、作品を発表していたことにも驚く。アウトロー的な人物や、ちょっとグロい物事を描き出すことで冴える筆致はある意味、村上龍を想起させる。とにかく面白い。
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2009年1月29日木曜日
書籍「魂のゆくえ / ピーター・バラカン」
ピーター・バラカンは僕が最も好きなDJの一人。
DJとしては特に良い声をしているとは思わないけど、ちょっと内向的な感じとか、マニアックなところがイギリス的だ。英語はそれほどでもないと思うけど。
今、関西でピーター・バラカンのDJを地上波で聴くことができるのは、土曜朝のNHK FMだけになってしまったが、この番組も朝からすごい選曲をしている。だけど、僕がもっと好きだったのは、今やインターネット放送のみになってしまったBarakan Beatなる番組。全編英語だったから彼の喋りもリラックスしているように聴こえたし、何よりあれだけ内容の濃い英語番組というのは他になかった。
少し恥ずかしい思い出をひとつ。ある時のBarakan Beatで、僕は大阪からインターFMに、クイズに答えるために電話をしたことがある。当時Barakan Beatでは、喋りの端々からワンマンでやってます的な雰囲気がしていて、そうしたリスナーからの電話にも彼自身が出ているようなことを言っていたからだ。
果たして曲中に電話をすると、本当にピーター・バラカンが電話をピックアップし、対応をしてくれた。その対応は、オンエアとなんら変わることのない、控えめで紳士的なもので、僕はますます彼のことが好きになったのだった。いや、恥ずかしい限り。
しかし、長い前フリだ。
そんなピーター・バラカンが89年に出版した「魂のゆくえ」。これに加筆・訂正を加えたリイシュー版が2008年に発売された。
タイトルの通り、ソウル・ミュージックの歴史がたっぷり詰まった一冊だ。僕は近年、古いソウルやファンクばかり聴いてきたけど、体系的というか、歴史的なものにはあまり詳しくなかったので、非常に勉強になった。
興味深かったのは、70年代半ばにジャンルとしてのソウル・ミュージックは死んでしまったというところや、現在も行き続ける魂としてのソウル・ミュージック・・・というところ。ただ、それほど加筆されていないようなので、90年代以降、現在に至るワールド・ミュージックに関する記述がもうちょっと欲しかった。
ともあれ、ディスク・レビューなども興味深いものばかり。これを辿るだけでも楽しみだ。大阪で番組、やってくれないかなあ。
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2008年8月31日日曜日
書籍「何でも見てやろう / 小田実」(講談社文庫)
すばらしい一冊だと思う。できることなら学生時代にぜひとも読んでおきたかった。
僕が小田実氏について持っていた予備知識といえば、田原総一朗の「朝まで・・・」というTVの討論番組に出ていたことくらいという実にいい加減なもの。「実」を「まこと」と読むことも、昨年亡くなっていたことも全く知らなかった。
この本は、1950年代後半に著者が東大からフルブライト留学生として米ハーバード大学に留学、その帰途で世界を旅するという旅行記的内容。東大からフルブライトと書くと、超優等生で面白みのかけらも感じられないが、彼の文章は真っ直ぐで全く嫌味がない。ヨーロッパからアフリカ、中東、インドとめぐる旅は超がつくほどの貧乏っぷり。インド以東の記載がないのが残念だ。
もちろん現代に即していない部分もあるが、50年前の空気が感じられるのは面白い。また、1年間を過ごしたアメリカに対する考察が興味深い。「アメリカの匂い」というところでは、ある意味僕が3回のアメリカ行きを通じて感じたことと、とても及ばないけれど似た部分があり驚いてしまった。
僕が小田実氏について持っていた予備知識といえば、田原総一朗の「朝まで・・・」というTVの討論番組に出ていたことくらいという実にいい加減なもの。「実」を「まこと」と読むことも、昨年亡くなっていたことも全く知らなかった。
この本は、1950年代後半に著者が東大からフルブライト留学生として米ハーバード大学に留学、その帰途で世界を旅するという旅行記的内容。東大からフルブライトと書くと、超優等生で面白みのかけらも感じられないが、彼の文章は真っ直ぐで全く嫌味がない。ヨーロッパからアフリカ、中東、インドとめぐる旅は超がつくほどの貧乏っぷり。インド以東の記載がないのが残念だ。
もちろん現代に即していない部分もあるが、50年前の空気が感じられるのは面白い。また、1年間を過ごしたアメリカに対する考察が興味深い。「アメリカの匂い」というところでは、ある意味僕が3回のアメリカ行きを通じて感じたことと、とても及ばないけれど似た部分があり驚いてしまった。
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2008年8月25日月曜日
書籍「ぼくは散歩と雑学が好きだった。小西康陽のコラム1993-2008 / 小西康陽」(朝日新聞社)
まさか、続編が出るとは・・・という驚愕の一冊。96年に出た「これは恋ではない」は僕の大好きな一冊だ。
取り敢えず一通り読み終えて思ったのは、やっぱり小西康陽もそれなりに歳をとったんだなあ、ということ。「これは・・・」のときに僕が感じた純粋さとか潔癖さみたいなものは、若干薄れてそれなりに俗っぽくなっている。例えば、人の悪口みたいなものを書くようになったりとか、エロティックなことも書くようになったりとか。
ただまあ、それはそれで、人間らしさが感じられて良い、という見方もできると思う。ネタばらし的な文章も多いのでじっくり楽しめそうだ。
相変わらずデザインなどトータルで凝りまくっているところも良い。今回はカラーも多くて、アルバムジャケットの紹介も絶好調な感じ。ブックカバーを外した時には、にやりとしてしまった。
何年かかけて拾い読みしていくうちに、また新たな感想を持つようになりそうな一冊。
取り敢えず一通り読み終えて思ったのは、やっぱり小西康陽もそれなりに歳をとったんだなあ、ということ。「これは・・・」のときに僕が感じた純粋さとか潔癖さみたいなものは、若干薄れてそれなりに俗っぽくなっている。例えば、人の悪口みたいなものを書くようになったりとか、エロティックなことも書くようになったりとか。
ただまあ、それはそれで、人間らしさが感じられて良い、という見方もできると思う。ネタばらし的な文章も多いのでじっくり楽しめそうだ。
相変わらずデザインなどトータルで凝りまくっているところも良い。今回はカラーも多くて、アルバムジャケットの紹介も絶好調な感じ。ブックカバーを外した時には、にやりとしてしまった。
何年かかけて拾い読みしていくうちに、また新たな感想を持つようになりそうな一冊。
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2008年8月14日木曜日
書籍「蜘蛛の糸・杜子春 / 芥川龍之介」(新潮文庫)
今さらかもしれないけど、改めて読んでみるとなかなか新鮮。
表題の2篇を含めて全10篇の短編集。どうやら解説によると、芥川作品の中でも年少文学と呼ばれるものばかりらしい。
「蜘蛛の糸」と「杜子春」も勿論悪くなかったけれど、個人的に唸ったのは、「蜜柑」と「トロッコ」。いずれも超短い作品。でも、いずれもまるで一本の映画のような深みを持っている。「蜜柑」は、昔の日本が持っていた叙情性というか、原風景のような光景が目に浮かぶよう。クライマックスがドラマチックだ。「トロッコ」は、敢えて一言で言うなら日本版「ひとりスタンド・バイ・ミー」(!?)。僕はこちらのほうが好きかもしれない。
やはり古典と言われるものは、読んでおかなくてはいけないと感じる。
表題の2篇を含めて全10篇の短編集。どうやら解説によると、芥川作品の中でも年少文学と呼ばれるものばかりらしい。
「蜘蛛の糸」と「杜子春」も勿論悪くなかったけれど、個人的に唸ったのは、「蜜柑」と「トロッコ」。いずれも超短い作品。でも、いずれもまるで一本の映画のような深みを持っている。「蜜柑」は、昔の日本が持っていた叙情性というか、原風景のような光景が目に浮かぶよう。クライマックスがドラマチックだ。「トロッコ」は、敢えて一言で言うなら日本版「ひとりスタンド・バイ・ミー」(!?)。僕はこちらのほうが好きかもしれない。
やはり古典と言われるものは、読んでおかなくてはいけないと感じる。
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2008年7月13日日曜日
書籍「延長戦に入りました / 奥田英朗」(幻冬舎文庫)
この著者はちょっと気になっていた。
きっかけは、2年ほど前のNumber誌665号で、日本シリーズで敗戦を喫した中日に関する「揺れる札幌ドームで」と題した2ページほどの原稿を読んだこと。中日者(=中日ファン)からの負け惜しみとして、めちゃくちゃに面白い文章だった。論理的で冷静な屁理屈とでも言えば良いだろうか。試合経過を詳細に追いながらも、決して対戦相手である日ハムの選手名を出さないところが秀逸だ。
で、「延長戦に入りました」は、野球のみならず、スポーツ全般を扱ったエッセイ集なのだが、評価としては微妙なところ。全て10年以上前に書かれたものなので、単純に若かった、というのもあるかもしれないけど、全般に構成が甘いというか読み応えがない。前述のNumber誌で見られたような、冷静さというのがなく、自分で面白いことを書いてやろう、言ってやろうみたいな意図が感じられるところも残念。
ただ、あとがきで著者自身も述べているように、これが奥田英朗だと思ってしまうのは間違いだろう。直木賞作家らしいし、本業の方の作品も読んでみたいところ。
きっかけは、2年ほど前のNumber誌665号で、日本シリーズで敗戦を喫した中日に関する「揺れる札幌ドームで」と題した2ページほどの原稿を読んだこと。中日者(=中日ファン)からの負け惜しみとして、めちゃくちゃに面白い文章だった。論理的で冷静な屁理屈とでも言えば良いだろうか。試合経過を詳細に追いながらも、決して対戦相手である日ハムの選手名を出さないところが秀逸だ。
で、「延長戦に入りました」は、野球のみならず、スポーツ全般を扱ったエッセイ集なのだが、評価としては微妙なところ。全て10年以上前に書かれたものなので、単純に若かった、というのもあるかもしれないけど、全般に構成が甘いというか読み応えがない。前述のNumber誌で見られたような、冷静さというのがなく、自分で面白いことを書いてやろう、言ってやろうみたいな意図が感じられるところも残念。
ただ、あとがきで著者自身も述べているように、これが奥田英朗だと思ってしまうのは間違いだろう。直木賞作家らしいし、本業の方の作品も読んでみたいところ。
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2008年6月17日火曜日
書籍「震度0 / 横山秀夫」(朝日文庫)
父から送られてきた本の一冊。まず自分からは手を伸ばさない類の本ではある。
慣れないタイプの本なので、読みかけて数ページで何度か挫折したが、4分の1ほど読んだ辺りから止まらなくなった。
ストーリーは、阪神大震災の早朝に始まる。舞台は、兵庫から数百キロ離れたとある県の警察本部。次第に被害の状況が明らかになり、応援の部隊を送るべく準備が始まる中、県警の一人の課長が行方不明となっていることが明らかになる。人望も厚く、仕事も堅実だったその人物の行方をめぐり、県警内部の、そして6人の幹部部長の、様々な思惑が絡み合い、そして彼らの夫人をも巻き込んで、事件は様々な側面を見せていく・・・というもの。
面白いのは、この本、警察を題材としているのに、現場の描写が全く無い、というところ。舞台は警察内部か、幹部公舎のみ。そして、6人の部長のキャラが立っていて飽きさせない。映画というよりは、舞台化したら面白そうだ。
ただ、最近こうした本ばかり読んでいるからかもしれないが、例え小説とはいえ、あまりにも硬直化した官僚機構の描写は、いささか気分の悪さも残る。当然取材もしているだろうから、完全なフィクションとは言えないところもあるだろうし。
慣れないタイプの本なので、読みかけて数ページで何度か挫折したが、4分の1ほど読んだ辺りから止まらなくなった。
ストーリーは、阪神大震災の早朝に始まる。舞台は、兵庫から数百キロ離れたとある県の警察本部。次第に被害の状況が明らかになり、応援の部隊を送るべく準備が始まる中、県警の一人の課長が行方不明となっていることが明らかになる。人望も厚く、仕事も堅実だったその人物の行方をめぐり、県警内部の、そして6人の幹部部長の、様々な思惑が絡み合い、そして彼らの夫人をも巻き込んで、事件は様々な側面を見せていく・・・というもの。
面白いのは、この本、警察を題材としているのに、現場の描写が全く無い、というところ。舞台は警察内部か、幹部公舎のみ。そして、6人の部長のキャラが立っていて飽きさせない。映画というよりは、舞台化したら面白そうだ。
ただ、最近こうした本ばかり読んでいるからかもしれないが、例え小説とはいえ、あまりにも硬直化した官僚機構の描写は、いささか気分の悪さも残る。当然取材もしているだろうから、完全なフィクションとは言えないところもあるだろうし。
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2008年6月14日土曜日
書籍「闇の子供たち/梁石日」(幻冬舎文庫)
なんだか幻冬舎の本ばかり読んでいる気がする。
梁石日の本を読むのは初めてだったが、悪くないと思う。幼児売春の描写などはかなり生々しく、えげつないところもあるが、一気に読んでしまった。
本書で興味深い点は二つ。まずは、幼児売春や臓器売買などの問題で、その残酷さを叫ぶのは簡単だが、買う人がいるから売る人がいるという現状。そして買う人は、日本をはじめ先進国といわれる国から来ること。もう一つは、日本人の持つ土壇場での日和見主義。そして先進国と言われる国に生きているというエゴ。
確かに、幼児売春や臓器売買などを正面から描き、解決を目指した内容ではないが、ポイントとしては興味深いと思う。
梁石日の本を読むのは初めてだったが、悪くないと思う。幼児売春の描写などはかなり生々しく、えげつないところもあるが、一気に読んでしまった。
本書で興味深い点は二つ。まずは、幼児売春や臓器売買などの問題で、その残酷さを叫ぶのは簡単だが、買う人がいるから売る人がいるという現状。そして買う人は、日本をはじめ先進国といわれる国から来ること。もう一つは、日本人の持つ土壇場での日和見主義。そして先進国と言われる国に生きているというエゴ。
確かに、幼児売春や臓器売買などを正面から描き、解決を目指した内容ではないが、ポイントとしては興味深いと思う。
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2008年6月6日金曜日
書籍「反転 闇社会の守護神と呼ばれて / 田中森一」(幻冬舎)
検察庁で特捜部検事を務めた後、闇社会の弁護士となった著者の自叙伝。
全体として、それなりに正直には書かれていると思う。新聞報道などに比べれば信憑性もそれなりにあるのではないかという気がする。
特に本書の前半部、生い立ちから検事時代について書かれた部分では、そのまっすぐで強い生き方に感服してしまう。また、司法や検察の仕組み、裏側などがよくわかり興味深い。
ただ、本書の中心となるのは、バブル全盛期を過ごした弁護士時代の記述だろう(ページ数的にも)。
著者はバブル時代の社会的なあり方、自分の行ったことを間違っていた、とは言いつつも、全体としては肯定しているように思える。これは、僕が思うに、バブルでそれなりに成功を収めた人に共通するものの見方だ。エスタブリッシュメントに対するアウトローを助ける存在でありたいとは言いつつ、アウトローとして話に登場するのはやくざ(もしくは、やくざまがいの企業家や、総会屋、仕手筋)か政治家のみだ。市井の人を描いても面白くないから掲載していないだけなのかもしれないが、結局のところ、アウトローと言っても金か権力を持っている人のみを指しているように思える。
僕はこうした著者のような考え方をした人や、これをありがたがって読む人の存在が、所謂、闇社会の存在ややり方を肯定することにつながり、日本という国のシステムが病む原因の一つになっていると思うのだが、いかがなものだろう。
全体として、それなりに正直には書かれていると思う。新聞報道などに比べれば信憑性もそれなりにあるのではないかという気がする。
特に本書の前半部、生い立ちから検事時代について書かれた部分では、そのまっすぐで強い生き方に感服してしまう。また、司法や検察の仕組み、裏側などがよくわかり興味深い。
ただ、本書の中心となるのは、バブル全盛期を過ごした弁護士時代の記述だろう(ページ数的にも)。
著者はバブル時代の社会的なあり方、自分の行ったことを間違っていた、とは言いつつも、全体としては肯定しているように思える。これは、僕が思うに、バブルでそれなりに成功を収めた人に共通するものの見方だ。エスタブリッシュメントに対するアウトローを助ける存在でありたいとは言いつつ、アウトローとして話に登場するのはやくざ(もしくは、やくざまがいの企業家や、総会屋、仕手筋)か政治家のみだ。市井の人を描いても面白くないから掲載していないだけなのかもしれないが、結局のところ、アウトローと言っても金か権力を持っている人のみを指しているように思える。
僕はこうした著者のような考え方をした人や、これをありがたがって読む人の存在が、所謂、闇社会の存在ややり方を肯定することにつながり、日本という国のシステムが病む原因の一つになっていると思うのだが、いかがなものだろう。
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2008年3月15日土曜日
書籍「これは恋ではない / 小西康陽」(幻冬社)
しばらく本をもらってばっかりだった父に贈る本はこれにした。
ちょっとこれまでのものとは全く毛色が違うけど、間違いなくこの数年で僕が最もよく読んだ本だから、思い入れはかなりのものだと思う。僕は本をそれほど繰り返して読む方ではない。でも、この本だけは別格。どこからどれだけ読んでも良い、というところが素晴しい。ベッドサイドにおいておくのに最適な本だと思う。
この本、スクラップブックのような構成で、エッセイあり、ライナーノーツあり、アルファベット順の人物辞典あり、短編小説ありとまさに何でもあり。全編に共通しているのは、全て褒めている、ということ。だからといって、何でもかんでもというわけではなくて、彼のセンスのよさが伺えるものばかり。例えば僕は、映画や音楽の感想をこのブログに書いているけど、とても全部を褒めるというわけにはいかない。でもそれは、正直さの問題ではなくて、観たり聴いたりするものの量の問題で、彼がこれまでに観たり聴いたりしてきた映画や音楽の量は莫大であることは間違いなく、その中で自分が本当に良いと思ったものについて、思い入れをもって書いているというのは本当に素晴しいことだと思う。批評家じゃないんだから、当然かもしれないけど、ネガティブなエネルギーというものが全く感じられない。できることなら見習いたいものだと思う。
逆にこれを読むと、自分の至らなさばかりが目について、落ち込んだりすることもあるけど。父の反応や如何に。ちょっと楽しみではある。
ちょっとこれまでのものとは全く毛色が違うけど、間違いなくこの数年で僕が最もよく読んだ本だから、思い入れはかなりのものだと思う。僕は本をそれほど繰り返して読む方ではない。でも、この本だけは別格。どこからどれだけ読んでも良い、というところが素晴しい。ベッドサイドにおいておくのに最適な本だと思う。
この本、スクラップブックのような構成で、エッセイあり、ライナーノーツあり、アルファベット順の人物辞典あり、短編小説ありとまさに何でもあり。全編に共通しているのは、全て褒めている、ということ。だからといって、何でもかんでもというわけではなくて、彼のセンスのよさが伺えるものばかり。例えば僕は、映画や音楽の感想をこのブログに書いているけど、とても全部を褒めるというわけにはいかない。でもそれは、正直さの問題ではなくて、観たり聴いたりするものの量の問題で、彼がこれまでに観たり聴いたりしてきた映画や音楽の量は莫大であることは間違いなく、その中で自分が本当に良いと思ったものについて、思い入れをもって書いているというのは本当に素晴しいことだと思う。批評家じゃないんだから、当然かもしれないけど、ネガティブなエネルギーというものが全く感じられない。できることなら見習いたいものだと思う。
逆にこれを読むと、自分の至らなさばかりが目について、落ち込んだりすることもあるけど。父の反応や如何に。ちょっと楽しみではある。
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